高金利な定期預金の常連だった日本振興銀行が2010年9月10日(金)、経営破綻しました。これに伴い、史上初めてペイオフが発動されました。
以下、ポイントを整理してみます。
【ペイオフとは?】
1預金者あたり「元本1千万円とその利息」までは保護される一方、それを超える部分は保護対象外(払い戻されない可能性がある)となる仕組みのことです。
【日本振興銀行の場合の影響は?】
1千万円を超える口座は全体の3%程度なので、97%の口座は保護対象の範囲内ということになります。破綻後の週明け2010年9月13日(月)以降、預金者は保護対象である1千万円とその利息分の支払いを請求することができます。
【どうして破綻したの?】
前社長の木村剛氏が、2020年までにメガバンク並みになることを目指し、他社の債券を買い取るなど、リスクを軽視した拡大路線を取ったため、と報道されているようです。破綻時の債務超過額は1500億円程度だったようです。
【日本振興銀行はどうなるの?】
2011年5月頃に一部の業務を預金保険機構の関連会社に譲渡し、譲渡しなかった部分については、支援先を探して、企業としての存続を目指すことになります。
【金利はどうなるの?】
営業を再開する2010年9月13日から2011年5月頃までの間は、破綻時の高金利が維持されるようです。その後は金利が下がることは必至でしょう。
ペイオフは、特異なビジネスモデル(決済機能を持たず、他の金融機関から隔離されている)を持つ日本振興銀行だからこそ発動されたという報道もあります。つまり破綻による影響の大きい銀行であれば全額預金が保護されたのではないか、ということです。
しかし、制度上は1千万円とその利息分しか保護されないということを念頭に置いて預金を分散するなど万一のことを考えて行動するようにしたいものです。
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